芳香を撒き散らして
わずか三日前に通ったときには気がつかなかった花だが、ふっくらとした半開きの花は、手の中に匂い袋を入れた女性のように見えて奥ゆかしい。
辛夷の花と早さを競うかのようにして花を咲かせるが、辛夷のようにあけっぴろげに花びらを開かせることはない。
木蓮の仲間は地球上で一番早く花を持った植物と言われ、恐竜も食べたのではないかと言われている。
それにしても、咲き出した当初は杉やシダ類のように花粉を撒き散らす植物の中で、この香りを放ったのは画期的なことだっただろうが、花粉を運ぶ虫たちはこのころから嗅覚が存在していたのかな?
ともあれ、”美人薄命”と言う言葉があるように、この花の仲間は傷つきやすく、すこしの傷でも、そこから茶色くなって痛んでくる。
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今日は神戸の同級生から、奥さんが作ったと言う”釘煮”を沢山送ってもらった。
釘煮とは、イカナゴを醤油や砂糖などで佃煮のように仕立てて作るそうだが、細長いイカナゴが釘のように折れ曲がり、醤油などで茶色に色がつくところから名づけられたとのことで、淡路島から神戸辺りの特産品だそうだ。
それにしても、これだけ大量に作るのは並大抵ではなかったと思う。
ただ、いままで食べたことがなかった。
着いた早々の味見では、その甘辛い塩加減も良くご飯のお供にと思って連れ合いに言っておいたが、晩酌を始めたらビールのお供になってしまった。
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