そして、同級会が始まった
同級会は、尾張藩の目付け家老成瀬氏が代々受け継いできた国宝犬山城をはさんだ対岸あり、美濃の国にありながら犬山温泉を名乗る宿で行なわれた。
そこから見る犬山城は、すこし川下にある堰のため水を満々と溜めて湖のようになった川べりから切り立った崖を持つ小山の上に見える。
幹事なので朝早めに宿の到着したが、早すぎたので、この近所に住む高校の同級生の家にお邪魔した。
ただ、ここで、初めてつけたカーナビに頼って向かったのだが、カーナビの使い方が分からず、訪問先の住所が入力できない。
名鉄新鵜沼駅のところから西に延びている”にんじん街道”という道路の脇に立っているからすぐ分かると言う電話を聞いて向かったものの、気がつかす通り過ぎ、引き返して目的地近くに着いたもののカーナビは「この辺りです」といったきり、ほん細かいところまでは教えてくれない。結局、10分ほどで行けるところを小一時間かかってしまった。
彼との話の中で、近いうちに今の家を処分して、マンション住まいを始めるための準備をしているとか、、、、そのため、まずは不用品の処分とマンションの改造計画を、業者と話しているとのことだったが、その労力は大変なものであることが言葉の端々から聞こえてくる。
自分なんかの場合、東海地震が来て家が破壊され、生き延びていたならプレハブのちいさな家を建てるくらいで、それまではいまの家に住んでいようと思っているし、もし、寿命が尽きれば、残ったものに家のものを処分してもらおうと思っているので、断捨離は一切考えないことにしている。
ただ、そうは言っても、子供たちに迷惑をかけないで逝こうという気持ちはおなじであり、自分たちの親の世代と一番考え方の違う点だと思っている。
そんなこんなと話をしているうちに、集合時間の40分くらい前になったので宿のほうに向かい、着いてみると、「気ぜわしいは老人の常」というか、もう三人が着いていて、宿の外で立ち話をしている。
「やあやあ、幹事のほうが遅れて来るとは何事だ」 手続きを済ませて部屋に入るなりあれこれと話が弾む。
そして、同級会がはじまった。
結局、食事が始まるまえに幹事のあいさつは、三時から六時までのあいだにほとんど話し済みのため省略、、、、、、
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食事が済んで腹がいっぱいになり苦しくなったので、今日満開を迎えた夜桜見物に出かけることにした。
対岸に桜並木があり、歩いて10分ほどだと言うので、みんな打ちそろって歩き出す。
気温もかなり高いようで、川面を吹き抜ける風も冷たくはない。
「これまで何回も、夜桜見物に出かけたがこんなにあったかかったことはない」「そうそう、花見のビールを飲みだすと寒くなってしまったものだが、、、」と口々に言い合う。
四日後が桜祭り、と言うことで夜間照明もするそうだが、急激に咲いただけに、ほの暗いぼんぼりがあるだけで準備不足の感はまぬがれない。
そして、急に咲いた花は長持ちしないとか聞いたような気がするので、他人事ながら、その日まで持ちこたえられるのかと心配になる。
どうも刹那主義の桜ではないが、旅人の自分たちさえ良ければ、それでもよいか。
しかし、城だけは照明に白く浮かび上がって、城の別名である白帝城(中国三国志に出てくる劉備の城)をそのまま表現したような幻想的な夜景をかもし出していた。
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