木の芽どき
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シデコブシの花びらが小さな風をとらえてゆっくりとゆれている。
薄い桃色の花びらは、いかにも園芸品種と見て取れるが、野生のシデコブシは絶滅危惧種になっていると聞く、、、そんな花かと思えば、ひらひらと風にゆすらるのさえ、いとおしいような気さえしてくる。
漢字で書けば”四手辛夷”となるが、初めて聞いたときには”死出辛夷”とうけとりなんと不吉な名前と思ったものだった。
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木の芽時には精神が高ぶって、、、、、というそうだが、何だか忘れ物をしているような気がしたり、理由も無くいらいらっとしてくるのはこの季節のせいなのだろうか。
こんなとき、玄関のチャイムを鳴らして訪問してきたセールスマンはとんだとばっちりを受けることになる。
チャイムの押しボタンの脇には「セールス 押し売り 宗教の勧誘は一切お断り」というシールを貼っているのに、仕事のため断られることは覚悟の上でボタンを押したのだろうが、やさしい静岡の人は、こっぴどく怒鳴られることまでは想像していなかっただろう。
とにかく、30数年前、静岡に来たとき言われた社長の言葉には「関西系の訛りがある貴方の言葉は、うちの社員にはきつく響くので、、、」といわれていた。
しかし、訛りは”お国言葉”といわれるようにいつまでたっても身に染み付いていて、気分が高ぶってくるといまだにでてしまい、ベルを押した人は早々に身をかがめて去っていく。
「こんな時代なんだから無碍に断ると、刃物で刺されるかもしれないから、、、、」と、言われるがなかなか止められない。
春は怖いよ
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