飛ばした種は
ハルノノゲシという名前を持っているが、秋遅くまで次から次へと花を咲かせては綿毛を飛ばしている。
この草も、自分の分身を旅立たせようと風を待っていたが、なかなか上空へ舞い上げてくれる風がなくてじれているかのようだった。
幾百とある綿毛の下の種、これだけ飛ばしていくつが来春芽をふかせる地に舞い降りることが出来るのだろうか。
ノゲシの花言葉に「旅人」「憎まれっ子世にはばかる」「追憶」などがある。
「旅人」と言うのは写真の状況を言っているようだし、「憎まれっ子世にはばかる」なんてのは花言葉としては珍しい言葉だが、世界中に広がるほど、繁殖力が強いことから来ているのだろうか。
しかし、「追憶」なんて優雅な言葉は、この花には似合わないような気がするが、飛んでいった見知らぬ土地で、生まれ故郷を思う心だとすれば、さしづめ、自分や亡くなった娘もそのうちに入りそうである。
30日には、その娘の骨の一部を故郷の土に返して上げることにする。
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