今日一日の幸せを
寝苦しい夜が明け、今日も暑さを予感させる朝焼けの雲が所々にかかっていた。
その朝焼けが日の出を間近に告げているのに、逃げ遅れたかのような半月がまだわずかに西に傾いた程度の角度で引っかかっていた。
ためしに、電柱を固定材料にしてカメラを向けると、月のあばたのようなクレーターが見えるではないか。
と、言うことは、こんなに暑い日が続くのに、上空は湿気もなく澄み切っていることになるのだが、、、(日中の蒸し暑さはどこから来ているのか、、、)
しかし、素人が持つカメラでよくここまで写すことが出来たものだと自分ながら感心する。
そのむかし、飛騨の隣村に京都大学の天体観測所があり、そこを訪ねたとき60センチ望遠鏡で写した写真を見せてもらったが、それに近いのでは、、、なんて思ってしまった。
当時は、こんな写真から月についていろんなことを想像していたのだ。
科学の進歩は凄まじいものがあり、月に着陸したり、周回の衛星で月の裏側まですべてを写すことができるようになった。
その結果、月に夢膨らませる部分が無くなってしまった。
そんなことを思いながら日の出を待っていると、自分同様にひまわりもいっせいに東の方に花をむけ、今日一日の幸せを待っていた。
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