疑心暗鬼
何事も疑心暗鬼でものを見ると、悪いほうに、怖いほうにものを見てしまうことをたとえた言葉だと聞いた。
幽霊と化け物は違うものだが魑魅魍魎でくくればおなじなのかもかもしれない。むかしは照明がすくなく、おまけに戦争中は灯火管制で街灯はなかった。
戦後になって電球はついたものの、100m置きくらいの電柱にぐらぐらになった笠がカタカタと風にあおられて恐ろしい雰囲気を作ったため、幽霊や化け物の話しは真実性がこもっていた。
狐の嫁入り、狐にだまされて一晩中うろついた挙句肥溜めに入っていたとか、蛇や岩魚が古びると人間に化ける、河童が子供の尻こだまを抜くなど人に悪さをする化け物が沢山いた。
物心がつくかつかないうちから、囲炉裏でこんな話しを大人から聞かされた。
とくに、同じ家に住んでいた、茂住小学校の先生吉田吉佐ェ門さんは飛騨の昔話に詳しく、後に分厚い本まで出された人だったが、よくお化けの話しが出て、聞かされていたそうだ。
そんなこともあって、日がくれてからはどこの家でも子供が外に出て遊ぶなんてことはなかった。
実際に怪しげなものを見たのは、向かいの山を一列になって移動する火で、通称”狐の嫁入り”だけであるが、今になって見ると果たして本当に見たかどうかさだかではない。
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きょう、ゲゲゲの鬼太郎をはじめ、お化けを書いた漫画家の水木しげるさんが亡くなった。
太平洋戦争の生き残り、部隊でただ一人の生還者だといっていた。そして、上官から死んで来いといわれた話しなど、日本軍の理不尽さを語った人でもあった。
国会が狐と狸の化かしあいの場といわれるが、現代の妖怪は、軍隊というもの、国というものの中に住んでいる、と言っている。
と、思うのは我輩の疑心暗鬼から、、、、、早計なんだろうね。
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