雨の中
昨夜遅くまで星の輝いていた夜空であったが、いつの間にか雨が降り出していた。
しとしとと降る雨の中、散歩をかねて集落の上まであがってみたが、昨日のような放射冷却も無く、霧に霞む山々は、まだ晩秋の趣が色濃く滲み出している。
集落を外れたすぐのところに、路傍の仏と庚申塚が雨に打たれ、侘しげにたっている。
雰囲気は「さびしさに 宿を立ちいでて ながむれば いづくもおなじ 秋の夕暮れ」という百人一首の歌がそのまま当てはまる感じの風景である。
この雨、予報によれば日中降り続くとのことであったので、「昼ごはんを食べてから出かけたら、、、」と言われたが、日が落ちてから雨の中を走るようなことになったら大変だと言う理由で、十時ころになって出発した。
りんご60kg以上と米30kg、のほか、土産の菓子、ねぎ、かぼちゃ、白菜などの農産物を車一杯に積み込んだ荷物は重く、途中何台もの車に道を譲りながら静岡に向けて走った。
道すがら雨は強弱を繰り返したものの、ワイパーを止めることは無いまま走り、清水の新東名インターからが一番激しく視界さえ不住な様相を示した。
ところが、静岡インターのすこし手前から西の空が明るくなり、家に着いた途端、雨が上がってしまった。
「こんなことって初めてだよね」と言いながら、荷下ろしをし車の労をねぎらった。
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