彼岸まで
上着を脱いで畑で鍬をふるったが、いつも以上に汗をかいてしまった。
「”暑さ寒さも彼岸まで”って言うけれど、これからは暑いねっていうんだろうね。」
とにかく寒さに慣れた身体には堪えたようで、午後からはぐったりして昼寝をしたら二時間も寝たため、今度は寝すぎでくたびれたようで身体の調子がいまだにおかしいような気がする。
畑の近くの田んぼには、蓮華の花が勢いを増して咲き出し、ミツバチも出ていたが冬眠していたモンシロチョウも擦り切れた羽根を痛々しげにうち震わせて蓮華畑の上を飛び回っていた。
しかし、ミツバチに比べると蓮華の花につかまる頻度が少ないのは、はやく、卵を柔らかい葉っぱに産み付けて、役目を終えようとしているからであろう。
次世代に命を託すという至上命令は誰から受けたものだろうか。
| 固定リンク
コメント