できない
蓮の花は朝になるとポンッという音を立てて開くと言う話がある。
そうすると、今ごろのレンコン畑はさぞかし騒がしいと言うことになりそうだが、いまだ音を聞いたことがない。
久しぶりに日の出前の蓮田周りを歩いてみたが、”すでに遅かりし由良の助”状態で花は開いていた。
.
.
四十数年前になるが、自分が働いていた鉱山は採掘現場だけでなく、その周り核方向に向けて鉱石探しの坑道をのばし、総延長200kmとかいわれていた。
そうしたなかで、ボーリングに所属していた自分は鉱床の範囲と品位を確認し、採鉱計画を立てやすくするため調査と鉱石探しのため掘り進んだ坑道の先端に行って、その先の岩石を採取し状況を確認する仕事であった。
そうした中坑道の先端に行って行うボーリングは、鉱石探しと言うよりこの先にはなんにもないよという確証を得るためのもだと言ってよい作業だった。
.
.
今日の新聞によると、東海地震の予知は「できない」と明記することになったそうだ。
静岡に来た当時、南海トラフのなかで東海地震を起こす静岡県沖の一帯で今にも地震が発生すると言う話でもちきりであり、「何でそんなところに行くの?」とよく言われたものだった。
そして、地震が発生するのを予知できないかと各地にひずみ計などの機器が設置され研究されてきたが、やはり自然を相手の予知は難しいということや東海に限らず南海トラフ全体で調べてみようと言う政府の方針もあってこういう結論になった模様である。
人工衛星でそれから監視している天気予報でさえが間違えるのに、目に見えない地下のことは、まさに”群盲象を撫でる”に等しいのだから、いままでの研究が全て無になったわけではない。
「無いと判断した鉱床」も目に見えない地下では、ひょっとしたらすぐそばまでボーリングの先端が行っていたのかもしれないし、わずかな角度でかすめていたのかもしれない。
全てが分かるというほど人間達していない。
| 固定リンク
コメント