愛の賛歌 考
ウインターコスモス。冬のコスモスか~と思っていたら和製英語だという。
日本名では、キクザキセンダングサといい、漢字では菊咲栴檀草と書くそうで、センダンクサとは、花びらがほとんどない嫌われ者の引っ付き虫の草である。
そう言えば一般に言われているコスモスより一回り小さく侘しげな佇まいであり、センダン草の仲間であるといわれればそっちのほうに近いことがよく分かる。
花の色は、一般のコスモスに比べれば制限されていて、黄色と白しか見たことがないのは、まだ園芸品種としては開発途上の花なのだろうか。
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中学生のころ十歳ほど年上の従兄弟の家でエディットピアフの「愛の賛歌」を聴いた。
この歌は1950年発売だというから、輸入版だったのかもしれないが大事そうにレコド盤に載せて聞かせてくれた。
33回転のレコードは日本の歌手ではない、高い金属音のような声で歌い上げていた。
勿論、フランス語の原曲なので何を歌っているのか、さっぱり分からなかったが強烈な刺激を受けたことは憶えている。
その後、十年ほどたってから越路吹雪の日本版「愛の賛歌」を聴いた。
このときの訳詩はよくて、意味は分かったが歌声に違和感があって、さすが世界的歌手とは違うなと言う感想を持ったものだった。
そして、今日BSの12チャンネルでエディットピアフの生涯を映画化した作品を見てしまった。
「見てしまった」というのはほかの番組を見るつもりで、すこしだけ覗くつもりだったのが、やめて最後までそのまま見入ってしまったからである。
歌のほうは、口パクで合わせていたようで、本人の歌声であり役者もよく似ていたので違和感がなかったこともある。
天性の歌声以外、女としては不幸の連続であり四十四歳で肝臓病悪化のため老婆のようになって亡くなったことは知らなかった。
ただ、弟子であり恋人だったイブモンタンとのことが省かれていたのはどういうことなんだったろう。
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