ひ孫は?
冬になると大群をなして大陸から渡り鳥として飛んできたため、石川、福井などから山越えに低く飛んでくるのを待ち受けた霞み網で捕獲して食べたものだった。
身体は鳩よりもだいぶ小さかったが、スズメなどの二倍以上はあり、身も引き締まってヒヨドリよりはしっかりしていた。
そして、雑食性のためリンゴなどの果実もつつくので害鳥扱いにされたのと、戦後の食糧難も有って北陸と岐阜県境などでは盛んに捕られ、禁止した法律の関係で警察沙汰になったこともしばしばあった。
また、昭和三十年代までは霞み網が子供の小遣いで買えたこともあり、自分らもツグミはもとよりヤマガラなどを捕って小遣いを稼いだものだった。
このときの捕りすぎが原因だったのか、今では群れをなして飛んでいるツグミは見たこともなくなった。
ちなみに、ツグミのあとの焼き鳥は田んぼを荒らすといわれたスズメになり、そのご、ニワトリの雛になり、そして今では、、、、、、
次第に味は落ちてきてここしばらくは食べていない。
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さきほど一番上の孫が帰っていった。
久しぶりに訪ねてきたのは、六月に結婚披露宴をするので「とりあえずお知らせ」と言うことであった。
近々そんな話が来るだろうと思っていたので心待ちしていたのだが、「そうかそうかそれはおめでとう」とお祝いをし晩御飯を食べさせたが、その食べっぷりは我々夫婦が一日かかって食べるより多く量を見事に平らげていった。
じいじもひ孫を抱くほど長生きしてしまったのかと思い、「長すぎた春のようだったけれど、子供は?」って聞いてみるとその気配はまだのようだった。
しかし、おしめを替え、抱っこし、小学校の卒業式に父親代わりに参列したのがやっとこのあいだったような気がしてならない。
当人はそれぞれ長い道のりだったのだろうけれど、年寄りにはあっという間にしか感じられない。
このさきも年寄りは、一生懸命残りの人生を走っていくのだろうか。
近頃は疲れてばかりいるのだが、、、、、、
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