蚊帳考
カヤツリグサが茎の先端に葉っぱと地味な花を広げている。
カヤツリグサは蚊帳吊り草であり、往時は夏の必需品であった蚊帳から来ているのだが、エアコンが発達したいま窓を開け放って蚊帳を吊るということがなくなり、今では忘れ去られた存在である。
清がしといねつ 弛みたれども
そのむかし、学校の授業でならった長塚節の俳句だった。
多分、久しぶりに帰郷した息子に小柄な母親が踏み台に乗って蚊帳を吊ってくれたのだが、ゆるゆるに張ってあって居るのを見て、「清清しいよ」って声をかけた情景が目に浮かぶ。
その当時この歌は、何の抵抗も無く受け入れられた言葉だが、今の若者には難解な俳句であろうことは良くわかる。
自分たちの育った飛騨の山奥は蚊も少なかったので蚊帳は吊った覚えが無いが、高校生のころ岐阜市へ陸上競技の大会に行ったとき泊まった宿で蚊帳を吊ってくれた。
部屋の四隅に引っ掛けて張った蚊帳に四人づつが入って寝たのだが、むさくるしい男三人、開け放った窓からは風も通わず、蚊取り線香の煙が漂う中、なれない自分たちはとても寝られた状態ではなかった。
翌日の成績の悪さを蚊帳のせいにして抗弁した。
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夏の間少なかった蚊がやたらと増えている。
蚊ってどこかに避暑していたのか、自分並みに暑さに弱いのか。
雨上がりの隙を狙って、畠に行ってみたが、身体の回りをぶんぶんと群がって来るアカイエカ、散水用の水ために置いた古い浴槽にボウフラが居たのでここから発生したようだ。
早速、殺虫剤を撒いて退治したが、あちこちにこんな水溜りがあるのでどれほどの効果があるのやら、、、、、、
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コメント
tomokoさま
お久しぶりです。
畠や庭に生えると雑草といって抜き捨ててしまいますが、そのほかでなら、つい見とれてしまいます。
人間の勝手さ思い知らされる草ですね。
蚊帳というものは、この文章にある場所で一回使っただけで、参ってしまいました。
ふるさとでは、やぶ蚊がすこし居ただけでという印象しかありません。
その代わりさされると痛いブヨに悩ませれました。、
投稿: オラケタル | 2018年9月18日 (火) 22時00分
カヤツリソウ・・・今が旬? のように
あちこちで見かけますね!
私、1~2本摘んで空き瓶に活けたり、葉書に描いたりして
楽しんでいます。逆さに持てば線香花火の様でもあり、
子供心を思い出させてくれます。
そして、蚊帳は子供の頃してましたし… 結婚したときにも
使ってましたが、いつの頃か処分しました。
今の方は分からないでしょうね。
投稿: tomoko | 2018年9月18日 (火) 05時26分