台風で鮎下る
愛知県矢作川水系には鮎を取るための簗場があちこちにあり、そのひとつの平瀬やなというのに出雲旅行に先立って行ってきた。
ここらからが良かろうと新東名の岡崎東インターで下りて、あとはカーナビにお任せでいったのが間違いの元だった。
曲がりくねった細い道をあちこち引きずりまわされて右に左にと、何処にいるのか分からないくらい走ってからようやく、足助からの道に出た。
約四十分、「こんなんなら豊田から足助周りで入ったほうがよっぽど早かった」とぼやきながら人気の少ない簗場に下りていくと、「つかみ取りは終わりました」の看板がたっていた。
聞いてみると先月末の台風22号で水かさが三メートルほど上昇しその影響で鮎がみんな流れ下ったようで今では落ち鮎がかからなくなってしまったとのこと、、、
鮎の下らない簗に行って見ると空の加減もあってかねっとりとした感じの水が、堰で集められて簾に落ちている。
「折角ここまで来たのに」とがっかりしてたら、「塩焼きは出せますよっ」とのこと、それではと”鮎の塩焼き定食”を頼みだしてもらったが、腹いっぱいの卵を持った鮎の味は焼き加減もあって美味しかった。
腹が苦い若い鮎に蓼酢をかけて食べるのもいいが、今の時期は子持ちのほうが美味いと思う。
それにしても、静岡ではどうして簗漁をするところが無いのだろうか。
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そんなこんなで食事のあと帰り道、ちらほらと桜の花を見つけた。
車を止めてみると淡いピンクの花びら、、、、十月桜だ。
春の桜のように華やかさではなく、はかなさを感じさせる花の咲き方、、、同じ種類の花でも季節や空模様で感じ方はずいぶん違うものである。
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