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2020年3月 5日 (木)

啓蟄

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咲き出した菜の花にモンシロチョウが戯れる。

今日は啓蟄、これから地面があったまってくるとほかの虫たちも花に群がり、花粉を仲介するに違いない。

 

昭和30年代、自分が働いていた鉱山の食堂では昼飯時になるとオイチョカブでにぎわっていた。

オイチョカブとはいま、ゲーム機器で名をはせている任天堂が出していた花札を使って行うゲームで、しばしばお金をかけて行うものもあったが、小さな食堂で行われたオイチョカブはたばこをバラにして行う他愛もないものであった。

親を決めるとそれぞれに札を配り、9に近い数字を作るもので最初は一枚づつ配り、二枚目で子が判断し三枚目を要求するかどうかを決め、同じように自分の札をひいた親と数字の多いほうが勝ちとなりたばこを取り合うというものであった。

ただ、親は二枚目で勝負する相手を決めることができ、危ういと思うものにはもう一枚引いて勝負することができた。

そのほかに、シッピンクッピンは親の総どりとかアラシは親もだが子も作れば勝ちとなるなどの特殊ルールもあった。

花札には絵柄などから特殊な呼び名があり、0はブタ 1はピン 2はニゾウ 3はサンタ 4はシホウ 5はゴケ 以下ロッポウ シチケン ハッポウ カブとつづき、シッピン クッピンは4と1 9と1を言い、アラシは同じ札3枚をそろえた時でシッピンクッピンに比べるとなかなか難しかった。

このようにして親には有利な仕組みだが、親の札が0 すなわちブタになった場合などは賭けたばこをすべてに払わなければならないので、始める前には2~3箱は用意しなければならなかった。

そんなこんなで何回も同元を務めたが、わりあい勝ち運が強くて一時は大きな袋に賭けたばこを持っていて上部一の大親分なんて言われた時もあった。

蛇足として、ピンからキリまでというのは花札の絵柄一月が松なのと十二月が桐ということからつけられたものである。

そのほかにも”思案ロッポウ”というのは最初の二枚を合わせた数字の一桁が6になったとき、もう一枚要求するかどうか迷うときに使うのだが、任天堂がゲーム機器会社になった今では死語になり、再び出てくることなないんだろうな。

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