じいじんちのさくらんぼ
”じいじんちのさくらんぼ”が真っ赤に熟れて摘み手を待っている。
じいじんちは爺ん家の意味で、孫たちが小さいころこの実を喜んで食べたときに名づけた言葉である。
このサクランボは三月末に花を咲かせた桜桃の実で、市販されているサクランボに比べれば真ん丸で艶々と光っているのが特徴であるが粒が小さくつぶれやすいという難点もある。
ただ、いまでもそうだが木の高さが2m少しと小さいため子供でも手が届き自分で摘み取ることができたので、人気があった。
ここ10数年孫たちも大きくなって木の下で騒いでいる声も聞こえなくなり、それこそ爺じが摘み取るだけでほとんどが落果するに任せている。
6月19日は桜桃忌と言って作家太宰治の忌日名にこの言葉をつけている。
いまが盛んであり、6月19日にたぶんすべてが落果してしまい葉っぱだけになっている桜桃をこの作家の忌日名にしたのだろうか。
そして、残念なことには又吉らが絶賛する太宰治の小説は一冊も読んでいない。
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