米考
「ここ二三日でめっきり田んぼが黄色くなってきたな」というのが義弟の感想だった。
事務所の窓から見える田んぼは写真よりもっと黄色味を帯び黄金色に輝き、何枚かの田んぼでは稲刈りを終え、稲架にかけていた。
子の稲架掛けを見ていると、長野のこの地方では二段重ねにして乾燥させるようで、静岡の一段干しや飛騨のように何段も高く壁のように股木にかけていくなど土地のよってちがう。
それぞれ理由があってのことと思うが、その理由はわからない。
しかし、その稲架掛けは最近では少なくなったという、義妹に家ではこの連休中に子ども夫婦6人に孫まで入れて10数人でにぎやかに済ませたそうだがこんなのは珍しく、最近では半数以上がコンバインで刈り取り脱穀まで一反歩30分とはかからずに刈り取ってしまい一日のうちにあちこちの田んぼへと移動し作業する。
おかげで、各地の米が混ざり合う結果自分ちの米が戻ってくることが稀になってしまうそうだ。
むかしは一家総出で田んぼに入って作業し、このあたりの学校では農繁期には学校が休みになったそうだが、三ちゃん農業と言われた昭和30年代から後の農業も姿を消し、日曜農業、委託農業と田んぼから人の姿が消えていく時代になった。
「米という字は八十八と分解できるように、人の手が八十八回加わってできるものだから粗末にしては罰が当たる」とよく言われたが、戦後の食糧難を過ごしてきた自分たちにはそんなこと言われなくても、米一粒も残さないで食べるのが常識だった。
その当時は、コメ余りに時代が来るなんて思いもしなかったが、先日の新聞では未曽有の米余りで倉庫が大変などと書いてあった。
時代は変わった。常識なんてものは捨てて、、、というが、アナログ人間にはどうにもついてい行けない時代にどう対処しようかと、、、、
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コメント
岡崎在住さま
子どものころ「そんなことしたら罰が当たるぞ!」って何度も脅かされたけれど、人殺しも泥棒も楽して金儲けすれば良いといった人たちには、良心の呵責っていう心がないね。
投稿: オラケタル | 2020年9月25日 (金) 21時31分
丹精込めて作った米や果物を盗むヤツが
出てきたのも、近年の特徴かねぇー^^
投稿: 岡崎在住 | 2020年9月25日 (金) 19時20分