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2021年7月11日 (日)

無窮花(ムクゲ)

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梅雨明けを思わせる暑い一日、ムクゲの花が咲きだした。

ムクゲは中国伝来の木というがかなり昔のことでありほとんど東洋の木と言ってさしつかえないほど日本の夏に定着している。

古くて人の周りに咲いているということになると、当然のように品種改良という名のもといろんな種類の花があるということになるのだが、写真のような原種に近いと思われるこの花が好きである。

ムクゲは中国にあったときは木槿と書かれ、韓国では無窮花と書かれ日本の桜並みに国花扱いにされていると聞いた。

日本でムクゲと呼ばれるのは無窮花 ”むきゅうはな”から来たのではないかという話も聞く。

無窮とは果てしないという意味もあり長寿にひっかけてめでたい事とされている。

 

まだ若いころ、と言っても四十代になってからだったと思うが近所に「明治青年会」というのがあった。

そのころ血気盛んだったこともあって、「明治青年会なんて減っていくばかりの会じゃないんかい」なんて減らず口を叩いていた。

当時の会員は最低でも六十五歳くらいになっていたし、当時の平均寿命はまだ七十代をあまり超えていなかったように思っている。

 

昨夜、ガンのステージ4で入院している友達から電話があった。

病気が判明してから3ヶ月にならないのだがかなり病状が悪化しており、近いうちに終末治療の病院に転院することになっていると家族から聞いた。

そして、入院以来言葉を交わしていないので、「自分の方から電話すると具合の悪いときだったり治療中だったりすると悪いから家族に具合に良いときそちらから電話をするように言ってくれないか」と言っておいたからであろう。

はじめ電話に出た時は声変りをしていてわかりにくかった。

そして、電話がかかってきたらあれも言おうこれも言おうと思っていたのがどこかに吹っ飛んでしまい、上滑りな話に終始し電話を切った。

多分これが最後なんだろうと思っているが、家族の話から本人は終末期だと思いたくないのか、または、受け入れられないのか、次の病院での希望を口にしているというので、電話での応対にはそちらの方に気を使ってしまったけっか、通り一遍の話しかできず、、、、、、

 

一時は山の畑の片隅に、十人ほどが集まって話の輪が広がった昭和十年代生まれの男の会も今では三人しかいない。

明治青年会をあざ笑った報いがここにきてわが身に降りかかている。

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