いくつになっても
黄ばみかけた田んぼの中でおばあさんかかしが眉をしかめて見張っている。
怖い顔の割には滑稽なメガネを頭にかざしているが、案外と眼鏡を探しているのかもしれない。
何しろ眼鏡をかければ、眉間のしわも隠れてモダンばあさんになるかもしれないから、、、
「女はいくつになっても美しく見られたいもんだよ」って病院の待合室で盗み聞きした話し。
「天高く 馬肥ゆるの秋」っていうけれど、いま、自分の身の回りは秋の味覚であふれている。
そばには昨日拾ってきた栗を茹でたのや長野から来たブドウ、冷蔵庫にはリンゴが、バナナが、、そして、仏壇にはおはぎが「早く食べないと固くなってしまうよ」とばかりにあがっている。
幸いというか胃腸が至極丈夫で食欲が強い。
戦争中から戦後にかけて食糧不足で飢えた経験のある身は、なんでも見れば完食しないときがすまない、、で、腹膨れればそのまま体重が増えていく。
馬でなくても腹帯はきつくなる、、、、、、目の前から遠ざけるだけで済むだけの問題ではない。
ああ、何とかしなくては、、、、、幾つになってもこんなことでは仕様がないのだが、、、、、
| 固定リンク
« シルバーウイーク | トップページ | 金木犀 »
コメント