静々と
今年も初日の出を拝むことができた。
七時五分 いつものようにしずしずと日本平の肩のあたりから登ってきた太陽は普段の太陽とは変わらないはずだが、冷たい風に身を引き締めているせいかいつもとは違うように感じられる。
少し前までは、小高い山の尾根筋のこの場所は10人ほどのご同輩がいて、酒やビール焼酎とそれぞれが持参したもので日の出を待っていたものだったが、一人欠け二人欠けして昨年から自分一人になってしまった。
もうあの頃に戻すよしがもないことだが、山の草はぼうぼうと生い茂り、時の流れの非情さを否応なしに感じさせてくれる。
帰ってからしばらくして年賀状が配達されてきた。
出す分が減っただけに、配達された年賀状も薄っぺらなものになったが、今年もこれで牙城のあいさつを辞退するという内容の葉書が四枚もあった。
故郷にいた時代の友達ばかり、いずれはこういう事態になるとは思っていたが、それでもどちらかが亡くなるまで賀状のやり取りだけはして欲しかったのにと思う。
「老兵は死なず ただ消え去るのみ」とダグラス マッカーサーはアメリカ議会で演説したそうだが、友達の賀状辞退はただ面倒くさくなったからとは思いたくない。
なんとしても、新型コロナがインフルエンザ並みになり自由に出歩けるようになれば、また人の心も変わってくるのではないか、、、、、、
そして、また顔を合わせることがあれば賀状の交換も復帰するのではなかと淡い期待を元日に祈願するばかり。
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