雪の下
庭の片隅で雪の下が花を咲かせ始めた。
小さな花だが、下に二枚の大きな花びらを下げ、上に三枚の赤い斑点をつけた花びらをたて、大という字のような形の花を開いている。
こどものころ、おばあさんの家の裏の石垣にこの草が生えており、火傷をしたときこの葉の裏側を囲炉裏であぶって幹部に張り付けたものだった。
しかし、いま調べるとしぼり汁が中耳炎などに良いとは書いてあるが、火傷に良いとは一言も書いてない。
また、この草を山野草の仲間にしてあるが、自分の知る限り人気のない山では見たことがなく、シャガ同様人について歩く草ではないかと思う。
とにかく冬雪の下から青々とした葉っぱを掘り出して、火傷をした傷口に当てると、それだけで治ったような気がしたものだった。
名前の由来はそんなところから出たものであることは言うまでもない。
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