ミソハギ
ミソハギの花が咲いて盂蘭盆が来た。
静岡あたりではこの花が咲く時期に新暦七月十五日の盆が来るので仏壇に飾る。
花期も長く萎れにくいためもあってのことのようだ。
ところで、この花だいたいが湿気の多いところを好むようで、麻機周りを歩いていると田んぼに入る水路に根を下ろしているので溝萩からミソハギになったとおもうのだが、中には禊萩だという人もいる。
赤紫の六弁の花びらは次第に上に上がっっていく。
時代劇を見ていると悪人側は切られてすぐになくなってしまうが、主役側の人は最後まで言いたいことを言ってからこと切れることになっている。
人間死の間際には意識がもうろうとしているので、そんなにうまく言える若がないと思うが、それをしないと話が前に進まない。
テレビを見ていたら安倍晋三さんは、銃撃を受けてから即死でなく何か言ったとか意識があったかのような報道が、あの日のテレビの中で言われていた。
もし本当なら何を言いたかったのだろうか。
むかし、明治のころ「板垣死すとも自由は死せず」といった人はそんなに重傷でなく、間もなく復帰し戦後百円札に長いひげの肖像画として残った。
世の中右傾化しクーデターまがいのテロが行われた昭和七年の5,15事件では時の首相犬養毅氏は襲撃した海軍将校に「話せばわかる」と言ったそうだが「問答無用」と言って銃殺されたそうだ。
死を前にして、”辞世の句”というのもあるが、有名な豊臣秀吉の句や浅野内匠頭なんか本当に自分で作ったものかどうか、信用しがたいものがある。
なかなか自分の死というものは、実感として持ちにくいものなので、その間際はあたふたとしていくに違いないと思っている。
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