泡沫の
しなやかに降り出した雨は道路に出来た水たまりに小さなあぶくを作る。
あぶくはうたかた(泡沫) わずかな時間で跡形もなく消えていくが見ていると人の命に例えるような気がする。
昨日は、義弟の七日忌。遠く北の空を見て合掌した。
彼が余命宣告を受けたのはちょうど一年ほど前。正月を越せるか、桜の花が見られるか、お盆が越せるかなどと言われながら九月までもったのだが、余命宣告を受けた日から彼は彼岸の人になった。
本人を前にして決して口には出せないが、彼の死後をどうするか周りが準備してしまう薄情さ、、、そして自分もその一員。
彼岸とは、悟りの境地を開いた人が住む世界だが、彼はその点では此岸の人である。
次から次へと衰え行く身体はあちこちから悲鳴を上げていき、次第に悪化するなかで一縷の望みを捨てたのは昏睡する直前ではなかったろうか。
コロナ禍の中もあって、面会できるのは妻と長男だけ、あとは面会した二人からだけの情報なので最後の一か月は慰めの言葉さえかけることもなく逝った。
今日は夜になってから台風の前触れの大雨がふりだし、線状降水帯の予想さえされる中避難勧告レベル3が発令されている。
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