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2023年1月12日 (木)

蠟梅

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春一番の花と言えば水仙か蠟梅か、そのどちらも正月前から便りには聞いていたが実際に蠟梅を見たのは今日が初めて、、、

ここしばらく雨の降らない乾燥した空模様の下名前のように透きとおった薄い黄色をした花びらを光が通り抜けてきた。

解説では春らしい香りが漂うと書いてあったが、花の機能が落ちてきたのか、枝をつかんで引き寄せ鼻を近づけてみたが全く感じなかった。

 

80歳で自分の歯が20本あるのを80/20というそうだが今日でぎりぎりの数字になった。

歯を抜いた医者は、トレイから抜いた歯を見せてここがこれだけ傷んでいて、、、、と説明の後「持って帰りますか?」という。

虫歯にはなっていなかったが、すでに歯ぐきから離れていたようで、似た歯ぐきからは血がにじんでいる程度になっていた。

考えてみれば、80年近く自分の口の中で共に生活してきた分身でありご苦労様でしたとねぎらいたいのだがその周りに黒い歯垢をまといつかせた小さな塊はすでに他人顔をして無表情である。

 

別れとは常にこんなものかと狼狽はしない、”この歳になると感情も鈍くなって、、、”が口癖になる。

 

 

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