御衣黄
御衣黄という名の桜は桜の中でも変わった種類の花を咲かせる。
幾分緑色がかったその花びらはなんとも怪しい色合いだが、萌黄色だとひとはいう。
この花の色が、遠いむかしの貴族と言われる人々が好んだことから貴族の着物、すなわち御衣という名前の由来だという。
先日のテレビで中国の歴代皇帝しか黄色い衣服は着ることができなかったというが、色にはその国の特殊事情があるようだ。
昨日からテレビは中国から飛んでくる黄砂の報道が沢山あった。
ゴビ砂漠あたりで強風に巻き上げられた砂塵が津波のように東に向かって走り、荒いものから順次おとし、日本に到達するころは花粉より小さな粒になって健康被害を及ぼすかもしれないという。
黄土台地、黄河、黄海の黄色はまさにこれに由来するのだろう、そして、皇帝も黄色の衣装というのは偶然なのか、、、、、
黄砂で煙る北京の写真を見ていたら「俺なんかこれくらいの場所で十数年仕事をしていたんだなあ」という感慨にふけってしまった。
鉱山で削岩機を使い穴を掘り、火薬を詰めて発破をかけガスや粉じんが収まったころを見計らって発破で起こした土砂を取り片づけたものだが、能率給を少しでも得るために十分な時間を取ることもなく粉じんの舞う現場に入り粉じんを巻き上げて土砂の始末をした。
もちろん防塵マスクをかけていたが、初期のころはそれをはめるのが苦痛だったし、海綿の粉じん除けでは今考えてみれば大した効果もなかったとおもう。
おかげで、定年後会った同級生のほとんどが珪肺(塵肺)の認定を受けていた。
黄砂を危険視する報道もある中で、この程度で塵肺になる可能性に言及したものはなかった。
はてさて、御衣黄が何でこんなところに飛び火したのかな
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