桜桃
孫たちから「じいじん家のさくらんぼ」といわれている桜桃が色づきだした。
細かい雨が降る中で今年はどの作物もおなじなのだが例年より実の付きようが少ない。
しかし今では自分が食べるほか、誰も食べるものがいないのだからこの程度で十分である。
桜桃忌と言えば太宰治の命日に使われる言葉だが、命日は六月十九日であり、まだ一か月も先のこの日には落果して青葉ばかりになっている。
ただ、桜桃忌としたのは彼の短編に桜桃というのがあってそこから名付けたのかもしれないと思っている。
彼の小説はほとんど読んだことがないのだが、特別な代表作とは言えないと思っていたが、、、、、
短編の最後に、桜桃を持って帰れば子供たちが喜ぶことがわかているが、それをせず大皿からつまんで口に入れ種をブッと吹きながら心の中でつぶやく言葉は「子供より親が大事だ」と
むかしのように老後は子供が親の面倒見たという風習はしたくても出来ない子供が多くなり、すぐにケアハウスに放り込む時代にあって、親も自分のことは自分でやらなければならないことを自覚すれば「子供より自分が大事」とうそぶくしかない。
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