芳香を届けて
小雨降る中懐かしさを感じる香りが匂ってきたので外を見るとクチナシの花が咲いていた。
冬になって気づいたのだったが葉っぱが黒くなるスス病にかかっていたのでどうなるのかと心配していたのだが先日蕾をつけているのを見て生命力の強さを垣間見ることができ開花を待っていた。
このクチナシはいつの頃だったか遊水地になる場所にあったものだが、その先端を20センチばかり折り取ってきたのを挿し木にしたものだった。
この時も生命力が強さから根付いた一本だったが、折り取った理由は八重の花の綺麗さだった。
それから10年ほど元の木は既になくなってしまったが、代替わりのこの木は毎年のように花を咲かせ芳香を家の中まで届けてくれるまでに育たった。
むかし「悪い奴ほどよく眠る」なんて映画があったが、吉野ケ里遺跡で石棺墓が発見され今日発表されたのは、棺の中には何もなかったという結果だった。
一時は人骨副葬品が見つかれば卑弥呼論争に幕を閉じるとまで言われていたが、結局は振出しに戻ったということらしい。
ただ、石棺の上蓋にバツ印のような刻みがついていることから遺体を封じ込めるという意味でなかっただろうかという説が流された時には、日本古来の思想がこの時代からあったのかと思った。
亡くなった人が恋しくてあの世に迎えに行ったとき、死者は悪霊になって迎えに行ったものに襲い掛かったので命からがら逃げかえった。という話しを聞いたことがある。
エジプトや中国ではなくなった権力者はいつか蘇り、その時不自由をしないように副葬品を大量に埋葬するという考えとは真逆の考えが日本にあったのだろうか。
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