またひとり逝く
今日は大事な友達だった畑のおっさんが亡くなって初七日になるそうで朝方電話が来るまで亡くなったを知らなかった。
彼は自分より一つ年下の一月一日生まれだと言っていたが、あの頃の元旦生まれは本当かどうかわからない。
彼と最後にあったのは偶然施設から家に帰りその日の午後には再入所するという、二年前のことだったがその時にはすでに認知症だったと帰り際に娘さんから聞かされるまで知らず、ソファに並んで話をしているときには痩せたなとは思いながらもわからなかった。
とにかく山の畑であつまっていた十数人のうち今では三人を残すのみとなった。
娘さんからの電話では「家族葬でひそかに済ませたので、、、」とやんわりとお参りも断られたような印象だったので、むかしワイワイと語らったハッサクの木の下に線香とろうそくを持参して燃え尽きるまでその場で過ごすことにした。
#千の風に乗って”という歌の歌詞の中に墓にはいないで風に乗ってめぐっているというし、曹洞宗などの仏教でも七日間はまだその辺にいるというから、多分木の下の自分を見つけて向かい側の丸太に腰かけているのではないかと、、、、
真夏の暑い太陽も木の下までは届かず穏やかな風に吹かれてろうそくの炎は揺らめき、隣に立てた線香の煙りと混じりあったり離れたり、、、、
柑橘類に卵を産むため黒いアゲハ蝶が二頭ひらひらと舞い遊んでいるさままでが彼ではないかと行方を言定める。
線香が燃え尽きるまで椅子の腰掛け、この場所での話しを思い出そうとするが特に思い浮かぶことがない。
ただひたすらに ただひたすらに
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