皮膚感覚
鉱山会社に就職し独身寮の風呂に入ったとき、定年まじかの年寄りが二~三人浴槽の中に鼻から上を出してドサイのように「ムフ ムフッ」ってうなりながら我ら若造を眺めていた。
そのころ、鉱山の定年は五十五歳だったが定年前に富山県などに家を建てた人や独身の人も寮に入っていたのだがいま思うと当時の五十五歳は老けていた。
そして、ドサイというのはガマガエルの方言で大きくなると15センチは優に越したものがおってまさに水辺の主みたいな存在であった。
鉱山の勤務は朝七時から午後三時まででこの勤務体系は自分が退職してもなお続いていたから、多分閉山まで続いたのではなかっただろうか。
この勤務体系を遅くしたいという若いものもいたが、、、、どこの鉱山も一緒だったのか#朝も早よからカンテラ下げて 坑内通いはぬしのため、、、 と歌の文句にある。
さて、独身寮の風呂に真っ先に飛び込むのはこの先輩というか老鉱夫であるがこの人たちは熱いのを好む、よって自分らは時間を遅くして入るのだが、暑すぎる風呂を前にして躊躇している姿を見て喜んでいる。
「我慢大会ではないよ!」と抗議すると「こんな風呂にも入れないのか」と水の蛇口を開けるのを妨害していた。
そんなことを思いながら家の風呂に入っているのだが、最近風呂で汗をかかなくなった。
かなり長風呂してもだ、、、、、以前は、しばらく入っていると額から汗が出てのぼせたものだが。
先日のテレビでは皮膚感覚が歳をとると鈍くなると言っていたがその伝になってきたのだろう、今自分が共同浴場に入るとむかし笑った人たちとおんなじに何だろうな。
一方で、ヒートショックで亡くなる人がいるから脱衣場を暖房してと言われているが娘に強く言われて携帯用の電熱器で暖めるようにしたが、これがあまり効果がないような気がするのは、これも皮膚感覚のせいだろうか。
暑さ寒さも彼岸までというが早くヒートショックと言われない季節が来るのを待っている。
| 固定リンク
コメント