地上の星
今日むかしの職場の先輩でありいろいろなことを語り合えた友人が亡くなった。
1,970年代鉱山は海外の鉱石に目をつけ、金属鉱業事業団というJICAの前身機構を通じて世界のあちこちに人材を派遣した。
自分の会社からも南北アメリカ、中東、アフリカなどに毎年国の予算が決まると派遣し採掘可能な鉱石の探査を行ってきたが、自分はアンデス山中で仕事をした後希望退職に応募して静岡に来たが、この友人は十数回にわたって主に南アメリカのアンデスをめぐり、鉱山が衰退してからは国内であちこちの山でボーリングに精を出していた。
小柄な身体ながら健康だったようだが、七十代に入ってから急激にあちこちに異変が起き、難病に苦しみながら歌をつくり歌集を作っては自分のもとに届けてくれたが五年ほど前から会うのが難しくなり何度か家を訪ねたが会えなかった。
そんな彼の訃報が今日入った、九十一歳だったという。
中島みゆきの”地上の星”という歌があるが、その歌詞の中に「#みんなどこへ行った 見送られることもなく」や「地上にある星よ 誰も見ていない」などが妙にひっかかる。
世界に散らばった「星たちはいまどこにいる」一つ一つと夜明けの太陽に溶かされてきえていく。
最終歌集の最後の歌に曰く
朝検診 何事もなく「異常なし」
深夜の発作 知る由もなく
ペースメを 入れて馴染むも 秋風寒く
風に吹かれて 余生を送る
「ペースメはペースメーカーの略)
村山富市元首相も先ほど亡くなったと放送された。しかし、地上の星たちは誰も知ることなく静かに消え去っていくのみである。
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