あえて傷つける
古代日本が中国に朝貢外交の際、貢物の一部に生口を送ったとある。
生口とは人間でありいわば奴隷ではないかと言う話しを聞いた。ただ、中国ではその生口が全身に入れ墨を入れていたそうで中国では驚きの目で見られていたことを表わす文書が残っている。
このころは孔子が生まれて五百年以上たったころの中国はすっかり儒教が国の中枢に根付いていた時代なので、論語の一節に「身体髪膚 これ父母より愛く あえて傷せざるは孝の始めなり」が定着していたこともあって、入れ墨はあえて身体を傷つける行為とみなされていたはずである。
日本も儒教の影響があったかどうかは知らないが、入れ墨はやくざな男の間でしかいれなかったし、江戸時代は犯罪を犯したものの腕に入れる刑罰の一つとされた。
堅気な人は入れ墨を入れないという風潮はやっとこの間まで暗黙の了解でもあり、いまでも銭湯や温泉などでは入れ墨した人は遠慮してもらっているのだが、近年欧米で入れ墨が流行っている関係から若い人が入れ出した。
日本古来の入れ墨に対して西洋風の入れ墨は”タトウ”とか言って方法が少し違うようだがどちらも一度入れたらきれいに消すことが難しいそうだ。
年をとってしわくちゃな皮膚になんだかわからなくなった入れ墨を見たが無惨としか言いようがない。
そして、当時は流行だったかもしれないが図柄にも流行があるとしたら、、、いや、あるはずなのだから後々時代遅れになって笑われる材料になりかねない、、、、
親孝行なんて今の時代に合わないというかもしれないが、身体をあえて傷つけるのは後悔する元になるのだけは確かである。
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