ふるさとの山
激しい雨風の音を聞きながら先日来の疲れが出てきたらしく終日うとうととして過ごした。
歳をとると疲れもすぐに出ないというのは本当である。
それにしても良い時に故郷へ帰ってきたもので、丁度一週間前の今日静岡から安房トンネル平湯峠を超えて高山に着いたのは午後一時ころ、約280kmであった。
屋度に入るには少し早すぎるので旧市街二ノ町三之町付近を散策したが、ここも例にもれずインバウンドとかで狭い道筋や立ち並ぶ店には外国人で一杯、人込みに慣れていない身にとってはかなり辛い、さらに追い打ちをかけるようにして強い香水が店内に立ち込めて長居が出来ない状況になってきた。
そこで、北アルプスが眺められる駅西の”アルプス展望公園”に行き乗鞍 笠ヶ岳さらに穂高を眺めて過ごした。
のちほど黄砂の影響と聞いたが、穏やかな春の日のもと墨絵のように近くの濃い山が次第に淡い鼠色の山々、そしてその向こうに空に紛れ込むかのようにうっすら白い北アルプスが連なる。
飛騨にいた当時はこれらの山々のすべてを歩いたものだと自慢げに話していたが、この霞たつ風景は静岡では感じられない風景であり懐かしさが身に染みた。
しばらくすると地元の老人ホームの入所者たちが介護人に支えられながら
ベンチに腰掛けて日向ぼっこを兼ねて世話をしてもらっていたが、どんな気持ちでこの風景を眺めていたのだろうか、、、、遠目ながら穏やかそうな人 そうでない人 全然無関心でぼうっとしている人それぞれがこれまでの生活が 性質が出ているようでそちらの方を眺めてしまった。
石川啄木ではないが”ふるさとの山は有難きかな”を実感した。
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